UNKNOWN ME のメンバー4名が
2016年に発売された Ambient 作品を3枚ずつ紹介します。
皆様のアンビエントライフの手助けになればと思います。
1980年1月生まれ。DJ、ミュージシャン。2009年に七尾旅人×やけのはら名義でリリースした「Rollin' Rollin'」が話題になり、2010年には初のラップ・アルバム『THIS NIGHT IS STILL YOUNG』(felicity)をリリース。最新作は2013年リリースの『SUNNY NEW LIFE』(felicity)。雑誌「POPEYE」でのコラム連載なども。
http://yakenohara.blog73.fc2.com/
バレアリックなハウス作品でも知られ、A.r.t. Wilson名義では、リバイバル・ニューエイジ、アンビエント的なアルバムもリリースしている、オーストラリアの奇才「Andras Fox」と、ギター、シンセサイザー、クラリネット担当の「John Tanner」によるユニットの1枚。
暖かく麗しい漂うようなムードに、過不足ない抑制された構成。延々と聴いていられる美しさ。バレアリック、チル・アウトのみならず、インディー・ロック好きにもお勧めです(Andras Foxは以前、USインディー名門の「Mexican Summer」からもリリースしています)。
https://soundcloud.com/growingbinrecords/sets/wilson-tanner-69-2016-gbr
https://soundcloud.com/pdis_inpartmaint/sets/andras-fox-soft-illusions
ダンス・ミュージックの人気レーベル、Mark Barrott主催(Mark Barrottのソロ作品も、ニューエイジ的なフィーリングも内包した素晴らしいものです)、「International Feel」で、新たに始動したアンビエント・ラインから、グラミー賞のノミネート経験もあるというCFCFの1枚。
ECMレーベルをオマージュしたジャケットどおり、ECMやWindham Hillレコード的な高尚さを漂わす音楽的な一枚。
同アンビエント・ラインからは、外国DJから注目を集めている日本のレア・グルーヴ、ニューエイジ的な流れで辿りついた(?)久石譲にインスパイアされたと思わしき曲「Miyazaki」なども含む、Wolf Muller & Cass.のアルバムも名作です。
https://soundcloud.com/international-feel/sets/cfcf-on-vacation-1
https://soundcloud.com/international-feel/mark-barrott-sketches-from-an-island-2-album-sampler
丁寧な仕事で、充実した内容の再発盤をリリースし、現行のニューエイジ(的な)シーンで人気のレーベルといえば「Music From Memory」。
BjorkやNujabesもサンプリングした「Clouds」という曲を作曲した、Gigi Masinのコンパイル・ベスト盤もリリースしています。
2016年も、素晴らしいリリースが続きました。
アンビエントではありませんが、ファッション・モデルでもあるボーカルの甲田益也子氏と、キーボードの木村達司氏によるユニット「Dip In The Pool」のシングルもリイシュー。
ブルックリンの「Rvng Intl」からリリースされたVisible CloaksとDip In The Poolの共作曲も、甲田益也子が、1998年に発表したソロ・アルバム「jupiter」の収録曲をモチーフとしたもので、温故知新エイティーズ感覚と、斬新なニュアンスを共有したニューエイジ・ポップでした。
https://soundcloud.com/music-from-memory/sets/suso-saiz-odisea-2016
https://soundcloud.com/music-from-memory/sets/mfm-010-dip-in-the-pool-on
https://visiblecloaks.bandcamp.com/track/valve-feat-miyako-koda
東京都出身。DJ/トラックメイカー。FRESHな音楽体験を日々DUB解釈。現場で培ったフロア感覚と、日常から抽出したアンビエント要素の融合を模索中。10年Tiovita1“God Complex”にremixで参加。11年RBMA RadioにてMIXがOn Air。12年7inch Split Vinyl“Sun Drum Session”リリース。Sound & Graphic Lab. radloop主宰。
http://radloop.com/
USの人気レーベル「Future Times」主宰、Beautiful Swimmersとしても活動する、MAXMILLION DUNBARことANDREW FIELD-PICKERINGの「MAX D」名義による、アンビエントかつ絶妙な遊び心も感じられるバランス感覚抜群な作品。レフトフィールドな感触ながら、しっかりと作りこまれた一音一音が心の奥深くまで染み渡ります。”ロウな”ハット、美しいピアノの旋律に、洗練されたエレクトロニクスが絡むA面3曲目「A Billion Drops In Space」が出色。同じく2016年に「Future Times」からリリースされた「RHYTHM BASED LOVERS」による12インチ「FREQUENCY ILLUSION/NUMBER GAMES」は、まさにニューエイジなハウスの真骨頂、最高です。
Future Times、Opal Tapesなど旬なレーベルからリリースを重ねるUSのアーティスト「Huerco S.」による終始”ロウな”質感に包まれたセカンド・アルバム。アナログ・シンセサイザー特有の温もりのある音色に、粗く煙たい音響アレンジが見事に調和した、DUB好きならグッとくるであろうアンビエント的アプローチ。針を落とすと、スモーキーな音像の中に胸をつかまれるような美メロディーが時折顔を見せ、気づくといつの間にか夜がふけている…。近年人気を博すハウス・プロデューサーAnthony Naples主宰レーベル、「Prohibito」からのリリースです。この儚さ、とにかくセンスが光ってます。
ニューエイジな感覚を“ロウな”質感でハウスのフォーマットに落とし込むカナダの「Mood Hut」クルーが、ライブラリー・ミュージックをテーマに秀逸なリリースを続ける国内屈指のカルト・レーベル「Snaker」からリリースした音源集。作品全体を心地よいアンビエンスが覆いながらも、グルーヴが通底していて、彼らのダンス・ミュージックへの尽きることないピュアな愛情が伝わってきます。個人的には、A面3曲目「Spicy Dream」の持つ、どこか遠くへ連れ去られそうになる浮遊感がたまりません。「Mood Hut」が2015年にリリースした「Slow Riffs」による12インチ「Gong Bath」で見せた、アブストラクトでトリッピーなアンビエント感覚も素晴らしいです。
https://soundcloud.com/snakerlibrary/mood-hut-snaker-007
https://soundcloud.com/mood-hut/mh010-slow-riffs-gong-bath-virgo-dub-peace-arch
1986年生まれ。建築家、作曲家。2014年頃からiPhoneのGarageBand を使い作曲活動を始める。これまでに[EntertainmentSystems][Where To Now?][Constellationtatsu][birdFriend]など国内外からいくつかのカセットテープをリリースしている。
https://soundcloud.com/whitecompany
Constellation Tatsu, Carpi Record, Normenalroomと数々のレーベルから良リリースを立て続けに発表してきたフランスの作曲家Les Hallesの初LP作品(カセットと同時リリース)。郷愁を漂わせる心地よい笛の音がループし、コポコポッとくぐもった水の音と美しいシンセのフレーズがふわふわと重なり合い瞑想のサウンドスケープを形成していきます。記憶の深層にいざなわれるかのような名作です。
[Not Not Fun] http://www.notnotfun.com
[Sound cloud] https://soundcloud.com/not-not-fun-1/a2-thresholds
大阪の宇宙電子音楽家7FOが送り出した最高のサイケデリック・ニューエイジ・ダブ。
ニューヨークのRVNG.intl.が新しく始めたシリーズ「Commend See」の2つ目の作品としてLPとカセットの同時リリース。水中を感じさせる「コポッ」とか「トロトロッ」、「ブチュッ」っとした電子音や「ピューーーン」と言いながら空間を通り過ぎていく音、ベースで鳴っている愛らしいフレーズと重なり合いかっこよくて楽しくて美しい唯一無二の水中日本庭園を作り出している。
アートワークのカッコイイ猫は作家が愛猫家であるということかららしいです。
[RVNG Intl.] https://igetrvng.com/shop/cmmnd002/
[Bandcamp] https://rvng.bandcamp.com/album/water-falls-into-a-blank
ベルギーのアントワープからイニシャル「J」の二人の女子が運営するカルトレーベルJj Fun House。このレーベルは国内の作家を中心にリリースをしておりベルギーの電子音楽シーン感じることができるのも魅力のひとつ。全リリース大好きです。
前置きが長くなりましたがMilan W.はレーベル初期から作品を発表しており今回リリースされた最新作「Intact」は個人名義でのレコードとしては初。私見ですが彼の最高傑作なのではないかというほど完成度が高い今作。モジュラーシンセを使用した丸みを帯びたリズミカルなサウンドはマッサージかと思うほど気持ちよく展開もドラマチックかつ丁寧にゆっくりと確実に気持ちのいい場所に連れて行ってくれます。とにかくかっこいいです。
[Jj Fun House] http://www.jjfunhouse.com
[Sound cloud] https://soundcloud.com/jjfunhouse/jj010-milan-w-intact-lp-preview-out-18092016
1984年生まれ。2006年多摩美術大学卒業。2016年千駄ヶ谷にデザインスタジオAroe inc.を設立。アートディレクション/グラフィックデザインを中心に活動。2015年半蔵門ANAGRAにて初個展『Melting Mood』を開催。2016年やけのはら、P-RUFF、H.TAKAHASHIからなるアンビエントユニット『UNKNOWN ME』に映像担当として加入。
http://www.osawayudai.com/
みなさんこんにちは。アンビエントリスニングに関しては日が浅いのですが、初心者視点からのレコメンドをしたいと思います。
USA、カリフォルニアのアーティストのカセットアルバム。チープなドラムマシンとギターやシンセなどを演奏した、繊細ながらもノンビリしたインスト音楽です。1人で宅録でペンギンカフェオーケストラのようなアルバムをつくるとこんな感じになるのかな。フルオーケストラやバレアリックのように壮大ではないけど、日常に寄り添うイージーリスニング。ロックファンやインディーファンに特におすすめです。このカセットアルバム以外の楽曲はSoundcloudで聞くことができます。
USA、ジョージアのアーティストのアルバム。大半の曲にヴォコーダーヴォイスが入っていてとてもポップです。このアルバム、アンビエントではなくインディーポップに分類される音楽なのですが、とても『アンビエント的』な表現方法なのかなと思います。難しく考えない、イージーなアンビエントの捉え方がとても気楽な気分にさせてくれます。エレクトロニカのアーティストが作るようなアンビエントではない、インディーのバンドがつくるアンビエント。
ロシア、サンクトペテルブルクのアーティストのアルバム。耽美的で叙情的なサウンド。少しゴシックな感じです。作曲家と女性ボーカルのデュオとのことで、女性ボーカルが心地いいです。とてもPOPながら、壮大な映画のワンシーンのようなアンビエントです。